お母さんの声

こんにちは。昨日、「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会に参加をしました。3月の原発事故の直後から本当に色々な事を考え、対策を施す日々を過ごしてきました。

 私は、子どもの頃から原爆や原発、放射能の知識を学校の授業で教育されて育ちました。小学校では毎年8月6日が登校日で、平和授業が行われ市内全域で8時12分には黙祷を行います。そういった環境で育ち、放射能による被曝がいかに人体に影響を及ぼし、今なお多くの方々が病気で苦労する姿を様々な形で教えられてきました。

 そのような背景もあり、今回の原発事故で放射能漏れが明らかになったと同時に、言いようのない恐怖感と不安に押しつぶされそうになりながら過ごして参りました。一時は、どうしようもない恐怖感で具合が悪くなり、病院で点滴を受けたりする自体になり、その後ようやく腹を括りました。

   私には幼い息子がおり、どうにか子どもを守らなくては!という強い思いに支えられています。これまでも様々なサイトを検索して、家庭でできる対策を行ってきました。ガイガーを借りて自宅や周辺を計測したり、水拭きによる除染、水や野菜など食料品の選別、りんごやビール酵母などよる内部被曝予防などなど…。学校にお願いの手紙を書き、水筒持参や給食の産地開示を依頼し、地道ではありますが少しずつ1人で活動してきました。

 困った事に、放射能の汚染を真剣に心配しているお母さん方は少なく、言葉に出す事すらタブーとされる雰囲気が現状です。テレビや新聞や政府が大丈夫と言っているのだし、今さら気にしていたら生きていけない。福島の人に比べたら恵まれているのだから、そんな事を気にするのは風評被害だ、そんな話ばかりです。私はmixiで自分の思いや対策を、日記に書いたりして呼び掛けたりもしましたが、逆に不安をあおらないでほしいとお叱りを受けたり、友人が一切コメントをくれなくなったりもしました。

 ですが、将来。仮にだとしても、少なからず子どもに遺伝子や染色体の異常が出たり、ガンや白血球、心臓病になるリスクが上がるとするならば、なんとしてでも防御したいと思っています。

 そんな思いで過ごしていた中で、エネルギーの問題や将来の日本の在り方にまで思いを巡らせていた折りに上映会があると聞き、参加させて頂きました。今回のお話も、1人の母親としての目線を軸にお話をされていて、私はとても強く頷いていました。

 途中、自然放射線の事で少々目線のズレたご意見を述べる方もいらっしゃいましたが、私にしてみればそんな事よりも、まず目先の対策や子どもをどう守り育むかといった面のお話を期待していたので少々残念に思いました。

 子どもは、学校給食において、地産地消に基づいた食べ物を強いられており、食材は検査をしたといってもほうれん草と大根のみ。牛乳についても業者に問い合わせをしましたが、セシウムが検出された狭山の生乳(西武乳業)でありながら、やはり国の定めた基準値を下回っているからという理由で安全宣言をしています。

 心の中で心配をしながらも声に出せない母親は、実はもっといるのではないかと思っています。自分1人でそのような思いの方を探して歩くのは非常に困難な事ですが、今回のような場がある事で少しずつ輪が広がっていくように感じました。暗やみにいるような気持ちだった私ですが、このご縁をありがたく思い、まずは一言お礼申し上げたくてメールをさせて頂きました。