関係性の教育学会第11回大会[概要

http://epajapan.jimdo.com/

日 時:2013年6月1日(土)午前10時より30

会 場:大東文化会館ホール(東武東上線・東武練馬)

    東京都板橋区徳丸2-4-21

登 録:フォームにて http://epajapan.jimdo.com/年次大会/ 

申し込み期日:5月30日(木)当日受付可

問合せ:epajapan@gmail.com

 

第1部 実践/研究発表:午前10時より10分づつ1230分まで

 

「教師のメッセージにこたえた生徒の作文にみる高校生の実状」

 二宮 公子(高校講師)

  高校2年生対象に、私のメッセージ「家庭科、それは『生命』とか『生きる』ことを学ぶ科目です。・・音楽、美術も人生を豊かにします。福島第1原子力発電所の事故から科学者、技術者の役割、命の重要性、生きることの大切さ」について、作文を書かせた。それらの作文の内容から、今の高校生の実状を探っていきたい。

 

「マンガ・アニメ・ゲーム・映画を用いた高等学校授業の実施報告」

 鈴木 祥夫(元作新学院高等学校助教諭)

  マンガ・アニメ・ゲーム・映画を用いた教育や授業ができないかと考え、勤務先の作新学院高等学校で高校1年生~3年生を対象に約2年半の間、独自の授業カリキュラムを立案し、マンガ・アニメ・ゲーム・映画を用いた授業を試験的に実施してきた。良質な映像コンテンツは、教材として用いることが可能と考え、本発表ではその実施報告をおこなう。

 

「『コーチング理論(認知心理学)』にもとづいた『絵本セラピー』—童心にかえって、明日からの活力をわが手に—」

 山西 敏博(小山工業高等専門学校)

 「コーチング」および「絵本セラピー」の基礎知識や、現代の悩みの状況を分析していくことをワークショップ形式で学び、組織のリスク対応力を高めるとともに、明日からの組織における活力を生みだすことになる。

 「コーチング」および「絵本セラピー」によって、仲間の行動に関する実態を把握することができ、地域や組織の活性化につながると同時に、今後においてどのように仲間と接していけばよいかなど、活用力が高まるであろう。

 

「大学における「セクソロジー」の教育実践―学生の意識・行動に着目して―」

 冨田 道子(大学非常勤講師)

 ある女子大学の「セクソロジー」の授業において,レスポンスシートを用いた双方向型授業をおこなうことで,学生の意識・行動にどのような揺れや変容が生じたのかを明らかにすることを目的とする。授業後に書かせたレスポンスシートから,教員が受講生全体で共有したい疑問や意見,感想をピックアップし,次週の授業の最初の30分で、それらを紹介し、解説する形態を15回継続し,学生の記述内容を分析した。その結果,学生同士の学び,意見の交流における受容と理解,励ましといった関係のなかで,学生一人ひとりのセクソロジーに対する認識が深まり,エンパワメントされたことが確認できた。

 

「応急仮設住宅集会所におけるコミュニティ支援のあり方について」

 安部 美紀(宇都宮大学大学院教育学研究科)

 災害時において応急仮設住宅での生活が長期化した際、応急仮設住宅集会所は被災住民の生活再建、生きがいづくり、被災地域の復興まちづくりに向けたコミュニティづくり等のための重要な拠点の一つである。しかしその管理運営方法、活用状況には格差があり、課題も多い。本研究は過去震災事例研究、東日本大震災被災地の一つである福島県いわき市内の応急仮設住宅群での実践研究を通じて、実態に則した集会所での支援活動のあり方を探り、様々な立場が参画できるコミュニティづくりにつなげられる方策を提言することを目的とする。

 

「共生的社会関係を共に築く学びーESDと復興」

 長岡 素彦(地域連携プラットフォーム)

 地域の衰退・持続不可能化を解決するために若者の地域参画、地域起業を進めるプログラムとして地域起業・NPOインターンシップによる学生のキャリアづくりとNPO地域起業や多世代共学・異世代協働をすすめてきた。東日本大震災後は支援や復興支援を通じて、現場でボランティアや支援を行う多くの若者と協働する中で考察を関係性と能力についての考察を続けてきた。ここでは、地域起業・NPOインターンシップや震災支援・復興の現場にいる若者の実例から生まれた関係性と能力について考察し、関係性を育む教育・実践、つまり、共生的社会関係で地域をともにきづく学びについて述べたい。

 

「未来の共同体を想像する教育方法―ライフデザインとしての平和学習」

 田尻 敦子(大東文化大学)

 いかにして、共同体は生まれるのだろうか。未来を想像し、学ぶ人たちが、新たな共同体を創造する。セネガル、インドネシア、日本において、いかにして、新たな共同体が誕生したかを探る。その過程で、未来の社会を育む教育方法を探る。

 

"Human Trafficking of Sex Slaves Into Japan Today"

  Darrell MoenShibaura Institute of Technology

 I will base my presentation on the two fieldwork research trips I took to Thailand in the past year and the information I gathered from representatives of NGOs, Thai police officials, and interviewees regarding women trafficked into Japan for forced prostitution. This is a major issue that is ignored by the media and thus out of the public consciousness.

 

"Engaging in Social Justice Means Accounting for All Our Relations"

  David A. Hough

 This talk is intended for students and teachers interested in engaging in issues of social justice both in and out of the classroom.  It briefly compares the historical underpinnings of Western morality to indigenous worldviews based on relational accountability and suggests that the latter may be more appropriate in guiding our actions.

  Western morality tends to be authoritative, patriarchal, anthropomorphic and reductionist, while relational accountability is more egalitarian, matrilineal, ecological and holistic. The sharing of ideas is welcomed.

 

「現代における個人の欲求充足を考える」

 井口 剛

 人間の欲求充足行動という視点から、現代において、我々の日常的な態度はどうあるべきかを探りたい。心理学などでは、人間が快感情を発生する際のメカニズムを、刺激-受容体 というモデルで見ている。今回は刺激の量的変化に注目し、2つの類型をあげる。以上を元に、現代社会での一般的な傾向、持続可能性、復興にかける東北震災被災者の事例などを考察する。ここでは「限り」がキーワードになるかと思う。それらを踏まえて、“社会”の望むべき役割、そして、私たち個人の役割を考えたい。快・不快感情は、幸福感にも大きく関与している。この点もあわせて探りたい。

 

朗 読:野々宮 卯妙(現代朗読協会)午後1時30分より

 

第2部:フュチャー・セッション 午後2時より4時30

 本大会の2つのI「地域/当事者のちから」II「復興」というテーマを統合し、1) 個別発表でだされた諸問題を共有し、2) 皆で、(リスク、メリット)を踏まえて、どうするか(アクションプラン / 行動メニュー)をつくる。